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あいちトリエンナーレ体験記 ―アートの世界で見えたもの<下>―

2019.08.17

<上>の続きです)
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8月7日の夜は愛知芸術文化センターで
サカナクションのライブパフォーマンス『暗闇―KURAYAMI―』を鑑賞。

完全な暗闇の中で音楽体験はどう変わるのか、
研ぎ澄まされた聴覚はなにを感じるのか。
この芸術祭だけの実験的なオリジナルプログラムです。

 

はじめに完全に暗転したとき会場はざわめきましたが
その後は音とともに放たれる閃光や映像に
観客皆、身を委ねているようでした。

感じたのは暗い部屋でひとり、
イヤホン越しに音楽を聴くという
極めてプライベートな状況を
広い空間の中、
ライブ音源のゴージャス版で追体験したような
今まで味わったことのない時間。

サカナクションの音楽に対する探究心と好奇心、
そしてリスナーを楽しませようとする姿勢に
心打たれたライブ体験となりました。

(当夜、会場近くの公園「オアシス21」の
水をたたえたガラスの大屋根“水の宇宙船”とテレビ塔)

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夜の食事は迷わず“名古屋めし”を。
牛すじ煮込みに味噌カツ、手羽先と
お酒にぴったりの濃い味を堪能しました。

 

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翌日はクリムト展が開催中の豊田市美術館へ。

名古屋駅から約1時間、
地下鉄と名鉄豊田線に乗って豊田市駅に向かいました。

1995年、かつてお城のあった高台の一角に開館した豊田市美術館。

クリムト展に足を踏み入れる前、
早々と作品のコラージュに圧倒されます。

19世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムトの
没後100年を記念する「クリムト展 ウィーンと日本1900」。
初期作品から甘美な女性像、風景画など日本では過去最多となる
25点以上の作品が展示されていました。

色彩の豊かさ、華やかさ、繊細さに目を奪われ放しの鑑賞でした。

特に印象に残ったのが、今回初めて知った
グラフィックデザイナー/タイポグラファーとしてのクリムトでした。
スタイリッシュな文字やレイアウトがつくりだすデザインの斬新さに
ただただ驚くばかりでした。

作品ごとに圧倒的な存在感がみなぎり、
非凡なセンスと独創性、繊細かつ強靭な
精神力の持ち主だったであろうクリムトの人生に
想いを馳せる機会となりました。

美術館の庭には、レトロな店構えのドリンク屋さんが。
三重県から各地のイベントに出店している
「フレイトレシピ」さんです。

「プレミアム文旦」かき氷をいただいたのですが
オーガニックの文旦から丁寧につくられたシロップの酸味と甘味が
火照った身体に心地よく、
じんわりと染み渡っていきました。

あいちトリエンナーレと豊田市美術館のクリムト展は
10月14日まで開催しています。

非日常、常識の枠を超えたアートの世界から
想像を超えた新しい価値観に出合えるかもしれません。

ぜひこの機会にお出かけくださいませ。

▶あいちトリエンナーレ
https://aichitriennale.jp

▶豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp