ブログ

あいちトリエンナーレ体験記 ―アートの世界で見えたもの<上>―

2019.08.16

2019年8月某日、
名古屋市と豊田市で開かれている
国内最大級の現代アートの祭典
あいちトリエンナーレ2019」に出かけてきました。

最初に向かったのは
名古屋の中心地、栄にある愛知芸術文化センター
(タクシーの運転手さんは「愛芸」と呼んでいました)

作品や公演数が最も多い
あいちトリエンナーレの玄関口です。

まず目に入ったのはピア・カミルによる
音楽のバンドTシャツ350枚を1枚の布に縫い上げた
巨大なインスタレーション。

中には24個のスピーカーが設置され、
その場をステージにできるウォールスピーカーになっています。

印象的だったのはウーゴ・ロンディノーネによるピエロたちの空間

 

カラフルな衣装をまとったピエロが
「夢を見る/おならをする/嘘をつく」などの
ひとりの人間が24時間のうちに行う
45のふるまいを表しているそう。

一体ずつ表情や体格がすべて異なるピエロたちは
個性と普遍性の両者を表現しているようでした。

あいちトリエンナーレ芸術監督で
ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介さんには
来たる11月6日、むすびサロンのオープン講座
「ジェンダー対立を超えて 地方経済のゆくえを探る
でご登壇いただきます。

この日はたいへん忙しい時間の合間を縫って
私たちに会ってくださり、感激しました。

津田さんのご案内で舞台裏の一部を拝見したのですが
多くの人の熱意と力によって、
この芸術祭が開催できていることを
改めて知る機会となりました。

*——–*——–*

なお、webサイトやチラシには掲載がありませんが
このオープン講座では特別なゲストファシリテーターとして
BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長でAERA元編集長の
浜田敬子さんをお招きします。

〈 浜田敬子さん プロフィール 〉

1989年に朝日新聞社に入社。
前橋支局、仙台支局、週刊朝日編集部を経て、
99年からAERA編集部。
記者として女性の生き方や働く職場の問題、
また国際ニュースなどを中心に取材。
米同時多発テロやイラク戦争などは現地にて取材をする。
2004年からはAERA副編集長。
その後、編集長代理を経て、AERA初の女性編集長に就任。
2017年4月より世界17カ国に展開する
オンライン経済メディアの日本版統括編集長に就任。

「羽鳥慎一モーニングショー」や「サンデーモーニング」
などのコメンテーターや、
ダイバーシティーや働き方改革についての講演なども行う。
著書に『働く女子と罪悪感』(集英社)

*——–*——–*

女性の生き方や仕事観に造詣の深い浜田さんと
ジェンダー問題に果敢に取り組む津田さん、
そんなお二人による熱い講話を聴けるチャンスです。

お申し込み、好評受付中です。

▶むすびサロン2019(三島市公式サイト 特設ページ)
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn041650.html

*——–*——–*

会場内のレストランにはあいちトリエンナーレと
大阪の堂島ロールで知られる「MonCher」のコラボスイーツが。
ケーキの色遣いやフォルムも表現のひとつですね。

次に向かったのは名古屋駅から徒歩15分で現れる下町、
円頓寺(えんどうじ)商店街と四間道(しけみち)。

お目当てはインドの民族楽器「タブラ」の奏者、
U-zhaan(ユザーン)さんによる毎日10時間×40日間の修行の見学です。

独学で絵画を学んだ鷲尾友公さんが描いた
「情の時代」をテーマとした大作の壁画。

商店街にはアート作品以外にも
ついカメラに収めたくなるような
フォトジェニックなお店が点在していました。


 

商店街の一角にたたずむ、情緒豊かな金毘羅神社。

名古屋弁のおみくじ」の張り紙に惹かれ、
お参りのあと一本ひいてみました。

四間道界隈に足を踏み入れ、
修行会場にもう間もなく到着というところで
なんと道をゆらりと歩く休憩中のユザーンさんに奇跡の遭遇

(写真奥の人物は、会場へ戻る後ろ姿のユザーンさん)

修行の辛さをやや滲ませつつも、会場へ戻るやいなや
丸型に近いフォルムの大小2台のタブラを叩き始めるユザーンさん。

 

(演奏中は撮影禁止のため、無人のステージの様子をパチリ)

高速で音を弾く指の動きと、
抑揚のある音色に一瞬にしてくぎ付けに。
異国情緒を耳と目と肌で感じた、貴重な経験となりました。

壁のイラストは過去から現在に至るまでの偉大なタブラ奏者たちを描いたもの。
ユザーンさんが抱く、彼らへの想いが伺えます。

*——–*——–*

今から約300年前に起きた大火の後、
防火のために4間(約7m)に道幅を広げたことから
その名がついた四間道。

その界隈は名古屋市まちなみ保存地区に指定されており、
水運で栄えた城下町の様相を楽しみながら散策できます。

 

愛知県や岐阜県だけで見られるという、
屋根の上に火除け厄除けのための祠「屋根神さま」を祀る
珍しい民家もありました。

<下>へ続きます。
↑クリックするとリンクします