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わくキャリセミナー2021 第1回【やりたいことを仕事にする!あなたのための起業セミナー】レポート

2021.10.13

2021年10月1日(金)、長泉町の女性のための創業サポート全5回の「わくキャリセミナー」がスタートしました。

講師は、札幌市男女共同参画センター 北海道女性起業家支援ネットワーク菅原亜都子さん
菅原さんは昨年度に続き、2回目のご登壇なります。

やりたいことを仕事にする!あなたのための起業セミナー」をテーマに、起業に向けて必要な準備・行動を起こすための具体策を教えていただきました。

◇菅原さんのプロフィール
札幌市男女共同参画センターに17年勤務し、以下のような活動をしています。

ジェンダー平等
女性も男性もどの性の人も自分らしく生きられる社会を
女性起業支援
コワーキングスペース「リラコワ」、「北海道女性起業家支援ネットワーク(ほくじょき.net)
組織のプレマネ(プロジェクトマネージャー)
マネジメントや部下育成を現場で悩みながら実践。『ティール組織』ABD読書会など組織論に関する勉強会を主催

「ジェンダー平等に関する様々な取り組みをするのが専門です。
創業支援をはじめて10年になりますが、ジェンダー平等の視点からも、女性が自分の人生を自分で決定していく中で、自己実現していくのはすごくパワーが必要だと思っています。そんな中、起業はすごく効果的で、女性にフィットした働き方だと感じます。女性たちが自分の夢を実現するのを応援していきたいです。

組織のプレマネについてですが、部下を育てるのはすごく楽しいです。チームで仕事をすることは会社でも個人でもとても大事です。起業しているからこそ、仲間と仕事をすることはこれからの時代すごく重要です。自分ひとりで全部抱え込まず、自分で自分をマネジメントするようにしましょう」

*ほくじょき.net(北海道女性起業家支援ネットワーク)
北海度のどこに住んでいても、女性が起業相談できるようなネットワーク。地域を超えて安心して相談・支援を受けられる体制があります。(ページ下部に公式サイトURLあります)

◇今回のセミナーの目標
・Goal1―起業に向けた心の準備をする!
・Goal2―自分のやりたいこと、実現したいことを言葉にする!
・Goal3―次に起こすアクションを具体的にイメージする!

◇チェックイン
まずはウォーミングアップとして、受講者の皆さんが「今の気持ち」と「セミナー終了時に、どんな気持ちでいたいか」をチャットに載せました。

今の気持ち
・期待(わくわく)と不安の両方があります。
・同じ長泉で同じ時期に起業を目指している方が実際にいると分かり、嬉しいです。

セミナー終了時に、どんな気持ちでいたいか
・何かしら方向性が見つかってスッキリしていたいと思います。
・終了後は不安が少しでも取り除かれていれば嬉しいです。
・きちんとイメージして前向きになりたいです。
・起業に向かって一つでもひらめきがあると嬉しいです。

◇Goal1―起業に向けた心の準備をする!
【自分を突き動かすものは何なのかを、問いかけていく必要がある】

「なぜ起業したい?」を用意しておく
支援を受けることへの心のハードルを下げる
支援を受けるのが当たり前だと思ってほしい
近いところから始めて、遠い場所から振り返るくせをつける
できることからどんどんやっていき、ある程度進んだときに振りかえる

◆ペアワーク
ペアになって「あなたはなぜ起業したいのですか?」と聴き、その答えに対して「なぜ、そう想うのですか?」と5回「なぜ」を繰り返すワークを行いました。

〈ペアワークの感想〉
・相手の方の「(起業を)やるよ!」という気持ちに刺激を受け、やる気が出ました。
・やりたいという気持ちを人に話すことで、前向きになれました。

受援力をあげる 6つのポイント
*受援力とは、主に福祉の分野で使われる言葉。起業を目指す人にも必要な力でもある。

・Point1
最初は広く浅く、いろいろな相談機関・窓口に何度も足を運ぶ

・Point2
複数の多様な支援を受ける
一つの窓口で言われたアドバイスを聞いて進めてうまくいかず、起業できないと判断してしまう人がいる。いろいろな視点でアドバイスを受けることが必要。内容によって聞く人を変えるのも大事。

・Point3
ドリームキラーやマウンティングする人とは距離を置いてOK
「そんなこと無理だよ!」と否定的なことをいう人とは距離を置く。今の段階でジャッジされることはありません。

・Point4
支援機関・制度は探さない。いろいろな場で発言する
支援制度の情報は自分で探さず、商工会の方などに聞いてみる。コワーキングスペースで発言するといろんな情報が手に入る。ちょっと面識がある、弱いつながりのある人のほうが実のある情報をもたらしてくれる。

・Point5
家族に言うのは最後でもOK
今の段階だとネガティブなことを言われそうだなという場合は、ある程度固まってからで大丈夫。

・Point6
自分を大切にする=自分自身は一番の支援者
「あの人ならポジティブなこと言ってくれそう」と都合のいい相談相手のところにいってみる。自分を味方に、自分をコントロールしましょう。

「この『わくキャリ』という安全なコミュニティの中で、困っていることを言う練習をしてほしいです」と菅原さん。

あなたはどっち?(キャリアの作り方)
<キャリアの類型>
・山登り型―頂上がゴール。目指して登る。
・川下り型―目の前のことをやっていって、気づいたらゴールに到達している。

「山登りと川下り、どちらが正解というものではありません。
今は時代の変化が速く、サービスができたらばっと広まり、消費されるのも早いです。設定したゴールが、10年後に妥当かどうかはわかりません

参考事例「あるサービスが5,000万人に使われるようになるにはどれくらいかかる?」
ポケモンGOは2週間で500万人に使われるようになったそうです。

あなたはどちらの段階?
・課題発見―自分でしかできない。時間がかかる。
・課題解決―専門家の意見や既存の知識で対応できる。

課題発見の段階ではいろいろ迷ってほしいです。無料のセミナーなどで浅く広く、自分のヒントになるものを得ていきましょう。そして、いろんな人にどう思うか聞くとよいです。
課題解決のフェーズでは、お金を払って専門家に聞くのがおすすめです。今の段階がどこで、課題解決の段階になったら誰に相談するかを計画しておきましょう」

・Goal2―自分のやりたいこと、実現したいことを言葉にする!

あなたのお客さんが、あなたのサービス・商品によって体験する感動シーンを考えましょう。
どんなことをしたら笑顔になるか考えます。それにあたり「ペルソナ」を設定します。

例)女性向けにフィットネスのサービスを提供したい
①ある特定の人を設定する
27歳の女性で●●会社で働いている。休みの日は何をして、普段どんなことを大切にしているかなど詳細までイメージします。

②このお客さんのどんなニーズに応えるか考える
ニーズとは、「快適をふやすことor不快を減らすこと」。それによってお金をいただきます。

ここで受講者おひとりの方のアイデアを聞きながら、細かくペルソナを設定していくトレーニングをしました。
やりたいこと、そしてなぜやりたいかという点から、一番来てほしいお客さん、その人の年齢やライフスタイル、悩み事…とイメージを言葉にしていきました。

ペルソナを細かく設定していくには、お客さんに興味を持つことが大事です。
北海道の人気菓子店『日曜日のクッキー』の創業者さんは、『顔は女優の○○さんみたい、ファンデーションは○○の、たまに●●のリップを買う』くらいに細かくペルソナを設定してからお店をオープンしました。

ペルソナをしっかり細かく決めておくと事業の軸がぶれないし、お客様の満足度も高いです。今は、実現したいことが可能かどうかは考えず、一番したいことは何かが大事です」

・Goal3―次に起こすアクションを具体的にイメージする!

「現在」と「未来の感動シーン」の間にはギャップがあります。
起業の計画となるこのギャップを埋めるために、今できそうなアクションを考えていきます。

「本来であれば1年後に事業をスタートさせると考えて、そこから逆算して計画を立てますが、それは課題解決のフェーズに入ってからでよいです。明確なゴールがない場合は、川下り型で、今日からできることを考えていきましょう。

誰にどんな感動シーンを届けたいのか、そのためにいつまでにどんなアクションを起こしていくのかを考えましょう。それらはできるだけ評価可能なアクションにします。例えば、『●日までに30分×2回、考える時間をとる』など。その後必ずアクションが実行できたかどうかを評価しましょう」

ファシリテーターの寺田からもアドバイスがありました。
ペルソナは的を絞ることです。ぼんやり攻めるよりも的の10点を目指します
ワコールのスロギー(無縫製の快適な下着)のように、ペルソナ以外の多世代にも響くケースもあります。モチベーションを保つうえでも、ど真ん中を意識するのは大事です」

最後に、ペルソナについて菅原さんからアドバイスがありました。
女性はソーシャルビジネスの分野での起業がすごく多い。私だからこれができる、という思いが強い。ただ、自分事だからこそ客観的に見れない部分もありうまくいかないケースもあるので、ペルソナを自分にするのがいいのか、客観的に別の人を立てるか、周りの方の話を聞きながら進めていきましょう

皆さんと記念に撮影した写真です。

具体的なビジネスプランを立てていくにあたり、みんなでまずは一歩踏み出した時間となりました。
今回、今の気持ちや現状の整理をしたうえで、セミナーは次の段階に進んでいきます。

受講者の感想の一部をご紹介します。

・宣言した以上、前進したいと思います。ドキドキからわくわくに変わりました。
安全で小さなコミュニティと言っていただいたことで、安心して参加できました。
・起業って一人でやるものかと思っていました。でも、今回セミナーに参加したことで、長泉町は支援制度やこうしたセミナーを開催していて、私のような一主婦でも一歩を踏み出せるんだと思うことができました。
・講師の菅原さんの具体的なアドバイスがとても参考になりました
・受講生の方の夢や目標を聞き、応援したくもなりました。自分も目標を立てて前に進みたいと思いました。
・受援力という言葉を初めて知りました。これからはいろいろと助けていただけるよう、足を運びたいと思います。

◆札幌市男女共同参画センター
https://www.danjyo.sl-plaza.jp/

◆ほくじょき.net
https://sgenderecenter.wixsite.com/hokujyoki