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富士このみスタイルワークシェア&スキルアップセミナー2020第2回【12.2/『オンラインでの学びスキルを磨こう』レポート】

2020.12.10

2020年12月2日(水)、富士このみスタイル スキルアップセミナー第2回
「オンラインでの学びスキルを磨こう」をオンラインで開催しました。

講師は女性のためのオンラインスクール「育休スクラ」を立ち上げ、在宅・オンライン・
両立生活の中で女性のキャリア開発やスキルアップのための教育事業を運営する
株式会社NOKIOO取締役の小田木朝子さんです。

参加者は移住者を含めた富士市在住の女性13名でした。

冒頭、富士市役所の山田さんから富士市移住促進の取り組みと「富士このみスタイル」の紹介があり、
今回のスキルアップセミナーの位置づけを確認しました。

「市としてはワークシェアという働き方を提案することで、移住や子育てにより仕事を離れた方たちの
『短時間でもいいので働きたい』『子供と一緒に仕事ができる場所がほしい』
『キャリアを活かしたい』という希望をかなえたいと考えています。

4回のセミナーを通してワークシェアのことを身近に感じていただいたり、スキルアップにつながる
ヒントを得られたりするよう進めています。
今回は「オンラインでの学びスキルを磨こう」というテーマで、時代が急速に変化する中で
『オンライン』の可能性を感じていただくほか、オンラインを効果的に仕事に生かすためにどのような
思考マインドが必要かなどをお話いただきます。
実際にワークシェアを体験していただく【お試しワークシェア体験】もスタートしています」

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浜松市のご自宅から登壇された小田木さんの自己紹介からはじまりました。

「浜松市の株式会社NOKIOOという会社で、教育や人材育成に関わる事業の役員をしています。
組織の中で個人がやりがいをもって楽しみながら仕事をして、組織全体もハッピーになるような
取り組みをしています」

「今みなさんは、企業の中で働いている・いないに関わらず、仕事をするのは好きですか?
働いている自分って好きですか?」と問いかけた小田木さん。

「私は仕事をすることが大好きです。会社員であるないは関係ないと思います」

「仕事が人生の中で苦行ではつまらないですよね。自分が納得できる仕事のある人生を送れている、
家族も自分も大事だけれど、仕事があったからますます豊かになったと言える人が増えていくといいな
と感じていて、そこに貢献することが仕事だと思っています」とお話くださいました。

◆小田木さんのVoicy(ボイシ―)
《今日のワタシに効く両立サプリ》
小田木さんはVoicy(ボイシ―)という最近話題のボイスメディアを使って両立期の仕事がもっと
楽しくなる知恵とヒントをお話しするチャンネル「今日のワタシに効く両立サプリ」を
平日毎朝配信しています。
「今日の講座を聞いて興味をもっていただけたら聞いてみてください」と小田木さん。

ヘビーリスナーの寺田は「すごくおすすめです!平日、毎朝4時~5時に配信している小田木さんの
胆力と継続して学ぶ姿勢が素晴らしいです。今日の講座で小田木さんから何かエッセンスを抜きとる
くらいの野心をもって参加してもらえると、実りのある時間になると思います」と紹介しました。

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◆チャットを使ってウォーミングアップ
チャットを活用して楽しく進めましょうということで、小田木さんから2つ質問をなげかけて
いただき、みなさんからチャットで回答をいただきました。

Q. 今日のコンディションは?
A. 絶好調!/Good です/寒いですね など

Q. 今日参加した理由は? 何を期待して参加しましたか?
A. ・何か新しいことを始めるきっかけになればと思って
・再就職したくてオンラインを活用できるようになりたくて
・ハンドメイドのワークショップを富士このみスタイルをきっかけに始めましたがコロナ渦で
難しくなったので、オンラインの活用方法について聞きたい など

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◆小田木さんのご経験から
まずは、今日の内容に通じる話として、小田木さんご自身の経験をお話しくださいました。
「10年前に長女を出産。子どもも家族も自分も、仕事も大事だと思っていて、ずっと続けて
いきたいと思っていました。それまでは残業ありきで時間をかけて、一人で抱えて仕事をする仕方で
ずっと働いていました。しかし、子どもが生まれてからは物理的な仕事時間は短くなるのに、
当時は時間で片づける方法しか知らなかったので、復帰後も同じように働いていました。
すると時間がもっと必要になり、自分がハンディキャップを負ったような気分になり、
仕事がどんどん楽しくなくなり、何のために働いているのかわからなくなる状態に陥りました」

「今はなぜそうなったのかが冷静にわかります。時間をかけ一人で抱えて何とかするという
仕事のやり方が良くなかったし、今マネジメントの立場に立ってわかるのが、そういった働き方は
個人だけでなくチームの成果にとっても良くないということです」

「今、私自身は時間で何とか片づけるというやり方でなく、楽しく働けている感覚に戻っていますが、
こうなるまでに4~5年かかっています。
でも、こういった働き方に変えていくのは挫折と気合と根性が必要なわけではなく、知っていれば
誰もができる再現性のあるノウハウだと思ったんです。
ですので、誰でもそういった知識や情報を得られる仕組みにすればいい、そういったサービスが
あったらいいと思い、今は育休中の人のための『育休スクラ』や企業研修などで貢献していきたいと
思っています」

この後小田木さんの経験から
「気合と根性に依存せずに自分らしくあるために、何を知っておいたらいいのか」
ということをオンラインという環境と紐づけてお伝えいただきました。

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【なぜ今「オンライン」?~あなたにとってオンラインが持つ可能性~】

◆考えるワーク ①
Q. あなたにとってのオンラインの可能性とは?
A. 新しいビジネスと教育への可能性/遠くに住む人ともすぐにつながれる/
AIが超えてくる知能で出来ない共感性/地域差や障害に関係なく働ける/
コロナ渦で人と接しにくい中でもコミュニケーションが取れる/
どこにいても、いろんな方とつながれる/個性が活かせる/世界中とつながる・視野が広がる/
時間を有限活用できる(チャットより)

「いろいろな可能性がありますね。いろいろなニーズをオンラインという選択肢が広がったことで、
あきらめずに実現できるのではないかと思います」と小田木さん。

◆考えるワーク ②
Q. コロナを契機に、働き方やキャリアの築き方はどう変わりましたか?
小田木さんの考えをお話しいただきました。

①個人も企業も働き方の格差が広がる
●個人
オンラインというツールの可能性をきちんと認識できていて、経験値を重ねオンラインで
のやりとりを臆さずできる人と、とどまる人との成長の格差がますます広がっていく。
●企業
オンラインに対応できる会社とそうでない会社の格差が広がっていく。
私の場合コロナ後、オンラインでのミーティングを導入する取引先企業が増え、人に会う回数が
3倍に増えている。一方で、会社に行かないと仕事ができない職種もあるが、そうでないのに何となく
出社させている会社もあり、従業員はモヤモヤしている様子。このまま放置すると、個性や能力のある
人たちは新しい働き方に対応した仕事や職場にどんどん移って行ってしまう。
結果として、変化できる個人と変化できない個人、変化できる企業と変化できない企業の差が、
今とても開いています。

②キャリアの選択肢が多様になる
通える範囲で仕事を探すとか、子育てや介護など抱えている事情の中でできる仕事をしようという
ところに、「通勤」や「場に行かなければならない」という要件が加わる場合と、その事情以外は
自由に選択できる場合とではキャリアの選択肢が違う。
活かせる強みについても、場の中でどう活かせるかと考えるよりも、場に関係なく強みにフィット
する仕事を探すという選択肢の方が、数と質の違いが如実に出てくる。
うまく自分のことを理解して、かつオンラインに適応できる考え方や仕事スキルを磨ける人は
キャリアの選択肢が増えていくし、私たちが抱えている介護や子育て、病気、住みたい場所などが、
「制約」ではなく単なる「事情」になっていくのではと思う。

③基本の仕事力とコミュニケーション力が一層重要になる
人の選別も進むと思う。オンラインで仕事のできる人と、そうでない人が明確にわかれてきている。
オフィスに集まっていたときは見えなかった仕事のできるできないが、オンラインで見えるように
なった。自分できちんとタスク管理やスケジュール管理ができるなどがオンラインでふるいに
かけられた。オンラインではツールを使いこなすこと以上に、基本的な仕事のスキルや対人としての
コミュニケーション力を着実に磨けていれば、それが強みになると思う。

◆小田木さんがこれまでの出会いから思うオンラインで「仕事ができる人」

①セルフ・マネジメント力が高い人
感情を起伏させずに常に安定した状態に自分の心身を置ける人。
今何をすべきかとか、自分が抱えているタスク、やりたいことをちゃんと時間を調整してマネジメント
できる人。必須です!

②仕事の基礎力が高い人(納期、レスポンス、正確性、効率性)
オンライン特有のスキルは限定的で、仕事の基礎力は過去の仕事できちんと誠実に仕事をしてきた人が
もっている。

③自分の強み・得意と、弱み・苦手を理解している人
これはかなり重要。無差別に仕事を受けるのではなく、自分が得意な分野に特化するのが一番時間に
対して成果を上げられる。オンラインだと空気で読むのが難しいので、自分の弱みや苦手も把握して
おくことが大事。

④相手の立場に立って物事を考えられる人
相手は何を望んでいるのか考えながら動ける人。この文面見て相手はどう思うか伝わるだろうかを
考えながらメールを書けるなど、そういったコミュニケーションが取れるかどうかがオンラインでは
重要になる。

★まとめ
皆さんがこれまで誠実にやってきたことに、これらの力を磨く機会があったのではないでしょうか。
それを自覚して、次の働き方に活かしていけばいいと思います。
オンラインであるということのメリットに目を向ける一方、これまで培ってきた資産をもとに
オンラインを活用していく、使いこなしていくという考え方が重要です。

【やりたいことを“やり遂げる”目標マネジメント】
テーマである「オンラインでの学び・スキルを磨く」にあたって大事なことは、
「やりたい、これをしたいと思ったことを、いかに気合と根性に頼らずにやり遂げられるか!」です。

「自分で立てた目標でも達成できないことはあると思います。目標達成できないのは、
気合と根性・時間がないからではない、ということを考えていきたいです」と小田木さん。

◆考えるワーク ③
Q. 自分で目標を立てても、なかなか達成できないのはなぜ?
A. その目標が自分に合っていなかったから/
目標が大きくて、どう取り組んでいけばいいか分からない/時間がなかった。目標が高すぎた/
習慣化するまでねばることができなかったから/子どもを言い訳にしてしまうから/
やることがありすぎて後回しにしてしまった/体力が足りない/
環境要因。どうにもならない思ってもみない突発的理由。(チャットより)

「いろいろな要因が考えられると思いますが、目標達成できない問題を3つに分解して考えます」

1.動機
動機づけできない(本心からそれをやりたいという気持ちがない中で目標設定してしまう)

2.目標
目標が適切でない(動機を満たせない、自分の価値観にフィットしていない、高すぎる、
自分に合っていない)例:子どもが小さくて時間が取れない、など

3.仕組み
プロセスや計画が適切ではない、継続できる仕組みが考えられていない
*気合と根性が問題ではないのがわかると思います。

【目標達成の技術=目標達成の思考術×目標達成の行動術】
この方式を今日インストールしていきます。
いかに省力化しながら、自分で立てた目標を上手に達成していくかをおさえていきます。
自分が本心からやりたいという気持ちを持つとはどういうことかを、次のワークで考えてみます。

◆ワーク「動機付け」
課題:書籍『GRIT-やり抜く力』を読み上げるという目標達成に、自分を動機づける。
400ページ弱あるビジネス書です。これを読みたい、読まねばならぬというように動機づけします。
「動機付けのためのフレームを使って説明します。強い動機が持てれば持てるほど、
目標達成の確立が上がります。強い動機とはその目標を達成したい理由と、自分が大事にする信念や
価値観とが結びつき、かつそれを自覚している状態。自覚しているとは言葉でしゃべることが
できたり書き出せたりすることです」

●価値観:何を大事にしているのか、なぜそれが大事なのか、どうありたいのか
●理由:なぜその目標なのか、なぜ達成したいのか、なぜ今なのか
参加者のおひとりに小田木さんが質問をしていく形で課題に取り組みました。
●価値観
医療機関で仕事をしたい。患者さんのために効率的でかつ質の良い医療を提供したい
→患者さんが元気になる姿がうれしい。相手に貢献できる。
→自信をもって仕事をしたい。そのために自己成長が必要。
→新しい方法や、便利なものを活用したい。
●理由
新しく仕事を始めるに際し、新しい方法や仕事の幅を広げるために読みたい
→新しい知識を身につけるために必要な本を読む、勉強会に参加することを実現していきたい。
→新しい知識が身につくと、患者さんに必要な情報を伝えられる。日々必要な情報がわかっていく。
古いままの知識では良い医療を提供できない。

「変化の大きい医療業界で、忙しい毎日の中で新しい知識を効果的に身につける必要がある。
なぜかというと価値観として、患者さんにいい医療を提供したいという想いがある。
そんな自分でありたいという想いを自覚できると、必要な目標だと認識するのです」

書きだすことによって具体化して自覚ができ、動機付けに結びつくそうです。

◆ワーク「仕組みの設計」
「6か月後の簿記2級試験に合格する」というの目標を立てます。
そのための仕組みを考えるワークをします。

Q. どんな行動をとりますか?
A. 学習方法と学習時間の確保の確認。次に試験日と費用の確認、過去問の入手。最後に夫に相談/
本屋に行く/ゴールの受験日を把握する/勉強のやり方を決める(独学か通信か)
自分と似た境遇の方のブログなどを参考 いつまでにどの項目まで勉強すればいいか余裕をもった
計画をたてる(週ベースまで落とし込む)/通信・通学講座の学校探し、費用等を調べる。
ネットで勉強方法を調べる/毎日のルーティンに勉強時間を入れる/細かいスケジューリング
4.5か月後から過去問。過去問で80点以上とる/1か月は独学し、なんとなくわかってから通信講座で
学ぶ。その後、足りないと思うところを独学で補充する。(チャットより)

様々な方法出ましたが、ここでは「仕組みを設計する」ことを考えていきます。

◆仕組みの着眼点
「仕組みは、全体を網羅できて、かつ必要な着眼点を抑えられているとよりよい仕組みと言われます。
仕組み設計の最終的なゴールは、次のように全体を統合的に組み上げることです」

【仕組みの設計の着眼点】
①事前準備
目標理解(情報収集)、自分理解(傾向・障害)
②戦略・計画
学習方法(合格戦略)、時間投入計画(頻度・量・タイミング)、進捗計画(マイルストーン)
③環境整備
パートナーの協力(合意形成)、子どもをどうするか、その他(インセンティブなど)
意識せずともこの仕組みが回っていく環境を整えていくことが目標達成のポイントです。
そして今の自分の状況も含めて設計していくことが仕組み設計です。

最後に小田木さんからメッセージをいただきました。
「ご自身が持っている時間とエネルギーという資産を効果的にうまく燃焼させながら、
自分が望ましいと思った目標を達成し続けられるような自己マネジメントができるといいですね」

 

◆参加者の皆さんからの感想をご紹介します。
・動機付けが大切だなと思った。
・自分を分析していきたい。
→小田木さんより「自分ひとりでやるのはすごく難しい。ひとりで抱え込むよりは、誰かに手伝って
もらうのも◎」
・動機付けの具体化は難しい
・今は専業主婦。今までの仕事を振り返ることができて自信がついた。
→小田木さんより「主婦はブランクじゃないですよ」
・6年くらい専業主婦。考える機会を久しぶりにもった。いろいろとチャレンジしたい。
・ダイエットで目標達成やってみます。
・コロナが落ち着いたら対面での講座で参加してみたいと思いました