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富士このみスタイル2020第2回【10.14/ワークショップ】レポート

2020.10.18

第2回 ファブリックパネルをDIY!自分のお気に入りでお部屋を飾ろう
レポート
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2020年10月14日(水)、
「ファブリックパネルをDIY!自分のお気に入りでお部屋を飾ろう」と題して
東京在住の空間スタイリスト・パーソナルインテリアスタイリストの荒川昌子さん
インテリアデザイナーの遠藤泉さんを講師にお迎えし、
コロナ禍により自宅で過ごすことが増えた今、おうち時間を楽しむコツや、
自分の「好き」をどのようにしてキャリアにつなげていったのかなど、
お二人のライフスタイルについてのお話を伺いました。

 

ワークの時間には各自用意した布で、ファブリックパネルを一緒に作りました。
参加者は富士市に移住してきた方を含む10名の女性たちです。
今回も富士市在住イラストレーター・漫画家の小泉智秋さんが参加し、
グラフィックレコーディング(講座を絵で描く)を制作してくださいました。

【荒川昌子さんのお話】
「富士宮市出身で、高校時代を富士市で過ごした後、大学在学中にダブルスクールに通い、
専門学校で空間デザインなどを学びました。
その後施工会社に就職し、百貨店のウィンドウディスプレイやVMD(Visual Merchandising
:ビジュアルマーチャンダイジング、商品を魅力的に見せるような売り場作り)店舗装飾などの
施工管理に携わっていました。
もともと『ファッション』と『空間』の2つが好きで、ウィンドウディスプレイの仕事を選んだ
のですが「もっとファッションの勉強をしたい」と退社。
雑誌の広報インターンやパーソナルスタイリストアシスタントなども並行し、2014年に独立します。
現在は『空間』『ファッション』『デジタル』『モノづくり』を軸に、スタイリング・デザイン・
ディレクションなどを行っています。」

実家のある富士宮市で、幼馴染が経営しているカフェのスタイリングを担当したことが
いろいろなご縁につながり、静岡でも仕事をするようになったという荒川さん。
静岡では、主に企業店舗のリブランディングに際してのアートディレクションやスタイリングを
しています。東京の仕事は百貨店が主ですが、静岡は個人経営の店舗など、
依頼人との距離が近いのでとても刺激になるそうです。

「装飾の案件は、最初にお客様へのカウンセリングを行います。ご希望が形になってきたとき、
キーワードに対してお客様との間の認識のズレをなくすため、様々なジャンルの画像を用いて
徹底的にすりあわせていきます。
例えば『アンティーク』という言葉からイメージするものは、お客様と自分とでは違います。
そこに生じたズレをなくしていくのです。
これは私がアートディレクションをさせていただく際も最初にするステップです」

「独立と同時に始めた百貨店SNSの仕事は、個人で発信していたフェイスブックやアメブロが
関係者の目にとまったことがきっかけとなり、お声がけをいただいきました」
荒川さんの現在進行形の案件は、百貨店SNSのライター、コンテンツディレクション、
コロナ禍による自粛期間が明けてからは、百貨店のコンテンツの動画を中心とした
新規事業のディレクション、インスタの管理、空間スタイリングや店舗のVMD、
アートディレクションなど多岐に渡っています。
コロナ禍による自粛期間中、1か月は東京の仕事がすべてストップし、
静岡の仕事をリモートで進めていたそうです。

「パーソナルスタイリストとして独立した当時お客様のパーソナルカラーで花冠を作ろうという
イベントをしたことで、武蔵小杉の東京スクエアの店舗VMDやみなとみらいのマークイズなど
商業施設でのイベント企画や運営をさせていただき、
そこから装飾やウィンドウディスプレイの仕事にもつながっていきました」

仕事の種類が増えるため、1年ごとに名刺の肩書について見直すそうです。
「自分の『好き』はもちろん大事。でも、未経験のことでも声をかけていただいたことに
『やりたいです!』と応えていると、またご縁がつながります。
自分の好きなことを貫いてきたというより、好きなものの中で得意なことを皆さんが見出してくれて、
今に至るのかなと思います。また、様々な種類の仕事の中で新しいことに触れると良い流れができる」
という相乗効果が生まれていると思います」

「コロナにより、コスメ業界は打撃を受けました。マスクをすることで人前に露出するのは
眉毛と目周りだけ。リップやチークなどの化粧品は今買わなくていいかな、と考える人が増えました。
この事態を受けて百貨店が立ち上げた新事業のコスメ情報サイトに携わらせていただいている中で、
私自身もメイクをする楽しさを思い出し、美容は今だからこそ自分をご機嫌に保つ要素になると
実感しています。百貨店の薬事に関する表現のルールと品質管理はとても厳しく、
今もチームでとても苦労している部分です。
今後はこういったデジタルコンテンツの仕事が増えていくと思います。
発信者はプロがリアル感やライブ感を演出するよりも、消費者に寄り添う飾らない本物のほうが
受け手には新鮮に思えるのではないかなと思います」

コロナ禍の中いろいろな経験をしたことで、就学を控えた息子さんや仕事のことを含め、
これからの拠点(特に週末拠点)について考えているという荒川さん。
常に好奇心をもって挑戦し続ける姿に、新しいご縁が引き寄せられているように感じます。

【遠藤泉さん】
「富士宮市出身で、高校時代を富士市で過ごしました。絵を描くことが大好きな子どもでした。
叔父の営む建築事務所によく遊びに行っては、いとこたちと子どもが手を広げても足りないほどの
大きな紙に夢のお家を描きました。
自然な流れで家をつくる仕事に興味を持ち、日本の大学を卒業後、ドイツでも学びました」

大学卒業後は、ご主人の故郷であるドイツのワイマールという街に住んでいた遠藤さん。
「ドイツでは古いものに価値があり、歴史あるものを大切にする社会性から、
築100年以上の石造りの家は珍しくありません。
古い建物にきちんと手を加えて暮らすことは当たり前で、DIYも日常的に行われています。
美しい街並みを住民が守っていくという観点から、条例が厳しい地域では新築を建てることが
難しいため、ドイツではリノベーションが主流です。私が勤めていた現地のデザイン事務所の仕事も
リモデル住宅や店舗のリノベーションがメインでした」

「ドイツには『愛は胃を通る』という言葉があります。2つ意味があって、
ひとつは日本でも言われる『好きな人の胃袋を掴め』のドイツ版。
もうひとつは、家族愛や友愛は一緒に食事を囲むことで育つという意味です。
ホームパーティーが頻繁に行われるので、常に家が片付いています。
窓辺やテーブルにキャンドルや花を飾るといった習慣も素敵だなと思っていました」

帰国後はリフォーム会社のインテリアデザイナーとして、スケルトンリフォーム
(古い間取りを一旦すべて解体して、新しく作り変える)を扱う部署で働いている遠藤さん。
日本では増え続ける空き家が問題になっています。住宅ストックの価値を上げる仕事に携わりたいと、
現在の仕事に就かれたそうです。

「コロナ禍により在宅勤務をする方などの住み替えが急増し、一時的に落ち込んだ工事依頼が
以前より増えました。今までは子どものリビング学習のために「小ワークスペース」を望むお客様が
多かったのですが、在宅ワークスペースが必要となった今、大人のリモートワーク用ミニ書斎の注文が
増えました」

「家づくりは、基本的にお客様と実際に会ってお話を伺いますが、最近は建物の3D画像を
オンラインで共有して確認するなど、デジタルツールを活用して打ち合わせしています。
暮らし方は十人十色、好みも様々。どのような空間がお客様にとって心地よいのか、
とにかく何でもヒアリングをして、お客様の「好き」を汲み取れる関係づくりを大事にしています」
とおっしゃっていました。

◎ワークショップ
~お気に入りの布でお部屋を飾ろう!「ファブリックパネルの作り方」~

●方法(チュートリアルを掲載します)
①型紙通りに切った布の上に、キャンバスを裏が上になるように乗せる
②キャンバスの縁の上下2辺に両面テープを貼る
③両面テープの紙を剥がし、布をキャンバスの縁に巻きつけて貼る
④もう片方も同じように貼る
⑤残っている左右2辺にも角から角まで両面テープを貼る
⑥左右同様に、布を少し斜めに折り込みながら上に持ち上げて貼り付ける
⑦布の余りが気になる場合はガムテープなどを上から貼り固定する
⑧角の布は、両面テープで貼る、もしくはガムテープやボンド、接着剤でとめる
⑨裏返して完成。壁に立てかけたり、フックや画鋲で壁にかけたりしてお部屋に飾る

●ポイント
・使う布は、型紙ピッタリでなくても、ガタガタしていても大丈夫!
・⑥の作業は、一番難しいところ。角をしっかり出すと、キレイに仕上がる
・完成したパネルの裏は見えないので、細かい部分は気にしなくても大丈夫!
・角の布を処理する際、両面テープは布同士をくっつけやすくておすすめ
・パネルはいろいろな大きさがあり、100円ショップで購入できるかもしれません。
・パネルにルームフレグランスをかけて香りを楽しんだり、デコレーションやアレンジをしたり、
思い思いに楽しんでみてください。

◎参加者の皆さんに、ファブリックパネルで使用した布選びのエピソードを伺いました。
それぞれに想い入れのある布を選ばれていて、お話しをする方も聞く方も、
心温まるストーリーに皆お顔がほころんでいました。
・思い出のブラウスを選びました。
・子育てが大変でなかなかインテリアまで手がまわらないため、北欧風の生地の
ファブリックパネルでナチュラルさを演出しようと思いました。
・最近誕生した孫(女の子)の雰囲気に合わせて選びました。
・こういった機会がないと手芸屋さんには行かないため、あれこれ見て選ぶ時間が楽しかったです。
購入した生地のどの部分を使おうかと考える時間もわくわくしました。
・いつか使おうととっておいた手芸教室に通っていたときの布を使いました。
・ナチュラルな雰囲気が好きな娘へのプレゼントに、と考えて選びました。
・母が大事にとっておいてくれた中高生の頃にお弁当を包んでいた思い出の布で作りました。

◎受講者の方からの質問と答えです。
Q.SNSの発信はどれくらいのペースですか?【荒川さんへ】
A.現在、自分のフェイスブックを更新するのは半年に1度ですが、
以前はだいたい2週間に1度のペースで、本当に伝えたいことがあるときだけ更新していました。
SNSを見て声をかけていただいた百貨店の方に「根が明るい子が書く文章で、裏表がなさそう。
どんな方とでもうまくやっていけそうだね」と言われました。
自分のやりたいことを素直に発信し続けていたことがよかったのかと思います。

Q.パネルではなく段ボールを重ねて厚くしたような土台でもできますか?
A.できると思います。木の板でもよいと思います。

Q.豊富な経験をお持ちのお二人に、お仕事と子育ての両立のコツを知りたいです。
A.【遠藤さん】
子どもがいると、1日中部屋をきれいに保つことは難しいので、片付けは1日1回と決めています。
寝る前に片付けると、寝る前と朝を気持ちのよいリビングで過ごすことができます。
なんでもとりあえず入れておいて、時間のあるときに片付ける「ポイポイボックス」を
設置しました。
夫は自分から積極的に家事をします。その状態を継続して欲しいので、感謝の気持ちを
オーバーアクションで伝えるように心掛けています。つくりおきしたおかずを活用して、
日々の食卓を乗り切ることもあります。
子どもがいながらのお家リフォームやDIYは大変。まずは下駄箱上のスペースや、トイレ、
洗面所など小さなところから変えていくとやりやすいかと思います。
【荒川さん】
夫も事業をしているので、以前は保育園の送迎や家事をほぼワンオペで行なっていましたが、
途中仕事が忙しくなっていろいろと回らなくなり、
思い切って「この日は撮影で遅くなるからお迎えからまるっとお願い!」などと
任せるようになりました。
その結果、ちゃんとこなして日々の家事も自然に自分ゴトとしてやってくれるようになり、
今まで勝手に請け負い過ぎていたんだなと気付かされました。
産後2週間くらいから仕事していたので、実家・義実家の両親、叔母など親族にも頼りながら
なんとかやってきました。仕事のこともこまめに報告することで、息子の成長も私の仕事の成長も
一緒に喜んでくれている感じがします。

お二人のカラフルな経歴のお話からそれぞれに思いの詰まった布を使ったファブリックパネルづくり、
質問タイムなど濃厚な2時間のワークショップでした。

受講者の皆さんからはZoomのチャットやアンケートにたくさんのコメントや感想をいただきました。
その一部をご紹介します。
・荒川さんのインスタをフォローしました!
・とてもオシャレで素敵なお部屋の写真やドイツのお話とても面白かったです。
・家を建てる時に、お二人のような方がいらしたら、とても素敵にできたなあ~と思いました。
・子どもが過ごしやすい部屋を目指しつつ、インテリアを素敵に飾りたいと思っていたので
お話を聞けて嬉しかったです!
・インテリアデザイナーさんの話を聞けることはなかなかないので、Zoomならではだと思いました。
・デザイナーはモノに対するお仕事と思いきや、人と人との関係を大切にする、対ヒトの仕事である
とわかったことは大発見でした。
・Zoomでの講座は、家で子どもといながら参加することができるのでよかったです。
・素敵なデザインの部屋に住みたいと思いますが、なかなか難しいです。今日のアドバイスを参考に、
部屋を変えてみようと思います。
・この講座に参加して、気軽に自分からDIYをするきっかけを掴むことができたように思います。
・布集めが好きなので、自宅に眠っている布でまたファブリックパネルを作ってみたいです。
・好きなことを仕事にすると、生きていくことが楽しくなりそうですね。
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リフレッシュしたり、新しい価値観に出合ったり、何か行動するきっかけを得たりした
きっかけとなったワークショップとなりました。

富士このみスタイルでは、これからもあなた好みの生き方、働き方、ご縁や成果をつなげるよう
各種イベントを開催していきます。ぜひお気軽にご参加くださいね。

◆荒川さん公式サイト Daphllel(ダフレル)https://daphllel.com/