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富士このみスタイル2020第4回【1.19/お話し会その2『富士市での子育てトーク』レポート】

2021.01.29

2021年1月19日(火)、お話し会その2「富士市での子育てトーク」をオンラインで開催しました。
ファシリテーターにNPO法人 母力向上委員会代表の 塩川祐子さん
ゲストスピーカーには妊娠・子育てネットワーク富士代表の 村瀬京子さん
をお迎えし、富士市の子育ての現状などについてお話を伺いました。
参加者は、県外からの移住者を含む富士市在住の女性4名でした。

「まずはウォーミングアップをしましょう。
マスク越しでも表情は伝わるので、笑顔でいきましょう!」

塩川さんの声掛けで伸びをしたり、目を大きく開け口角を上げたりして体も心もほぐし、
みなさんが笑顔になったところでお話し会がスタートしました。
自己紹介では名前と子どものこと、地元や過去に住んだことのある街のこと、ふるさと自慢などを
伝え合いました。
九州や東北地方、お隣の愛知県、県内西部だったり、富士への転入前には関東圏に住んでいたりと
様々な土地の名前が出てきました。
そんな中、共通点を見つけたり、各地の名産品などを聞いたりすることができました。

【塩川さんの転入リアルストーリー】
塩川さんが代表を務める母力向上委員会のビジョンは
「すべての人が生まれてきてよかったと思える社会へ」
ミッションはご自身の経験を踏まえ、ゆらぎのでやすい妊娠・出産・子育てにおいて、
需要・選択・創造ができるようにすることとしています。

塩川さんの結婚・転入後のライフヒストリーを見ながら、出産やお子さんたちの成長という節目で
どう行動してきたかをお聞きしました。

「2001年に結婚・出産・転入を経験しました。当時ワクワクしながら越してきたのですが、
すごく孤独に陥り、育児ノイローゼ気味に。
この町は暮らしにくいとまで思いましたが何とか状況を変えようと、
フルタイムのパートのお仕事をはじめました。そこで職場の人との人間関係ができて世界が広がり、
さらに仕事柄、市内各地を訪問することになり、町の中を知っていきました」

「次女出産後も仕事を継続しました。職場があると人とつながれると思ったからです。
長女が幼稚園に入ると、今度は幼稚園関係のつながりができてきました。
その後も働くことに好奇心がわいて、仕事の幅を広げたことにより、
さらに視野が広がっていきました」

「三女を生んで、次女が小学校に上がったころ、自分のスキルを取り戻し、収入を得たいと思い、
クリニックに勤めることにしました。
さらに、三女を産んだ助産院で週に2時間程度働くことにしました」

ライフヒストリーの曲線を見ると、出産のたびマイナスに振れていますが、
そこから動き出すことでモチベーションを上げてきました。
助産院での仕事は私のライフワークであり、これからも続けていきたいと思っています。
もう一つ、2008年に立ち上げた母力向上委員会ですが、これまでいろんなチャレンジをしてきて
自分のスキルが上がってきた、ここで居場所を得たと思っています。
母力向上委員会は自分自身のために作ったのではないかと思うほど大きな存在になっています」

「移住してきた2001年から知り合いの数はどんどん増えました。サークルに入ったり、
三女の出産後にはファミリーサポートに頼ったりする中で、様々な人たちとの関係から
刺激と学びを得てきました。
今、転入して19年。最初は自分を閉ざしていた時期がありましたが、
一歩を踏み出したことで地元よりこちらでの生活を楽しく感じています!

生き生きした表情でお話しいただいた塩川さん。今の生活に安心感とワクワク感を感じているのが
とても伝わってきました。

【ワーク1/富士ライフヒストリーを描いてみよう】
★ポイント
◎富士での暮らしを振り返り
◎HAPPYラインで表現する
◎ポイントにエピソードを書き込む
◎GOODポイントに印をつける
2グループに分かれてまずはグループ内で、その後全体でシェアしながら
それぞれのヒストリーや当時感じたことを話しました。

<参加者のヒストリー・感じたこと>
・転居で急に友達も知り合いもゼロ、妊娠中で体もうまく動かなかったのでつらかった。
ただ、新しい土地に来たというワクワク感やいろいろ知りたいという思いもあった。
・転入後、夫が心配していろいろ場所を調べてくれて、新しい居場所探しに行っていたので
少しずつHAPPYラインが上がっていった。しかしその後里帰り出産で子どもが自宅に慣れず
体調を崩したこともあって少しラインが下がった。
・コロナの影響で自粛になりママ友を作るのが難しかったが、自粛が明けてからはどんどん
ママ友ができてラインが上がっていった。
・人との関わりがなくなるとHAPPYラインが下がり、つながりができると上がり、出産で下がる
のがわかった。家を建てて少し上がってきた。
・富士市に転入してきたときに夫が専業主婦を希望していたので、人とのかかわりもなくラインが
下がっていた。
・息子の入園を機にママ友ができ、娘の入園時には仕事を立ち上げ生活が楽しくなってきたので
上がり調子になっている。
・人との関わりが少なくなると下がるんだなと思った。
・自分には孤独耐性があるとわかった。でもいろいろ忙しくなるとつらいとわかった。
・一度落ちた経験があると強くなれると思った。できないことに目を奪われるのではなく、
可能性の広がりに目を向けられるといいなと感じた。
・それぞれにいろいろな経験があると知った。この場で皆さんとご縁があってよかったなと
改めて感じた。
・共通して、出産で下がる、人との関わりがあると上がる、自分の役割があると上がるというのが
わかった。

みなさんの感想を受け、塩川さんから
「人の関わりがあるとHAPPYラインが上がるということからご紹介したい方がいます。
『富士のママ達のおかあさん』と呼んでいる、妊娠・子育てネットふじの代表である村瀬さんです。
社会福祉士や保育士、精神保健福祉士という資格をもちながら『ファミリーケアサポート ともにぃ』
という個人の活動をされています」
と村瀬さんを紹介していただきました。

【妊娠・子育てネットふじ について】
「『妊娠・子育てネットふじ』は、子育て支援をしている専門職の団体です。社会福祉士、保健師、
助産師、理学療法士、保育士、幼稚園教諭がメンバーで富士での子育てを盛り上げようと活動して
います。妊娠・子育て中に同じ立場で話せる相手がいないお母さんたちが情報共有する場を
つくりたいと富士市に話したら、官民協働事業として採択されて3年前から始めています。
この官民協働事業としては今年度が最後になりますが、その後も規模を縮小して継続して
やっていく予定です」

「今年度が最終年度ということで、妊娠・子育て中にサポートしてくれる団体が一目瞭然となる
冊子を作っています。いろいろな活動をしている62団体にネットワークに入ってもらっています。
先ほどまで『気持ちが落ちているときには、こういった支える仲間がいるよ』という思いで
お話を聞いていました」
と作成中の冊子を見せながらお話くださいました。

【塩川さんから村瀬さんへ Q&Aタイム】
Q. 村瀬さんから見て、富士の女性たちはどんな傾向がありますか?
A. 新富士駅があるためか、転勤などで移住してきて実家が遠く支援者が居ないという方が多い
ですね。アンテナを高くしていろんな講座を受ける方と、そうでない方に二極化しているなと
感じています。
Q. お勧めの団体はありますか?
A. 100人いれば100通りの思いがあって、ここがいいとはなかなか言えません。自分に合う場所
を見つけていただきたいです。母力向上委員会さんとの出会いはラッキーだったと思います。

Q. 思春期の子育て相談はできますか?
A. 私にまず聞かせてもらえれば、いろいろなところへつなげられると思います。

Q. 冊子はどこで手に入りますか?
A. 富士市役所のこども未来課、子育ての関係企画課、フィランセの保健課、子育て支援センター、
まちづくりセンター、図書館などに配架する予定です。妊娠・子育てネットふじの
ホームページからも各団体の情報を見られますので、ぜひご覧ください。

最後に村瀬さんからメッセージをいただきました。
「今、遠くから移住してきたシングルの女性の支援をしていますが、出会わなかったらこの人、
大丈夫だったかな?と思います。ぜひ困ったら公のサポートに手を出してください。
転入時にもらったパンフレットを見たり、子育て支援センターなどに行ってみたりするのも
いいと思います

塩川さんからはこんなコメントも。
今後、子どものことだけでなく自分の健康や育児と介護のバランスなど、いろいろ悩みは
変わっていくと思います。村瀬さんは幅広い支援をされていらっしゃるので、
お困りの時は『富士には村瀬さんがいた!』と思い出してほしいです

【ワーク2/私のサポーターマッピング】
富士での暮らしをより楽しんでいくために、これまでどんな人に助けられてきたかを表にする
ワークに取り組みました。縦軸に親近感、横軸に専門性を引いて、それぞれに書き込みました。

書いた表を見せ合いながら、
◎富士での私のサポーター
◎今後出会ってみたい人・場所・サービスなど
◎子育てしながらやってみたいこと
をグループでお話ししました。

<みなさんが感じたこと>
・富士このみスタイルのイベントには皆勤賞くらい参加していて、本当に親近感がわいている。
・ファミサポは頼りたい反面ハードルを高く感じている。関係性を築ければ強力なサポーターに
なると思う。
・なんだかんだで夫を頼りにしている。
・ご近所さんを頼りにしておくのも何かのときに助かると思う。
・地元の友人や妹と話をしたりする。
・子どもに助けられることがある。
・インターネットの情報に頼ることもある。

「富士には『ふじ応援部』というお母さんたちが情報を発信するチームがあります。
工務店、空間工房ロハスさんが運営するフリースペース『モクリエギャラリー』さんも
多彩な発信をしています。ゆったり落ち着けるカフェなどもいいと思います。
自分を癒し、心地よくしてくれるサポーターをバージョンアップしていってほしいと思います
と塩川さん。

 

最後に、塩川さんからメッセージをいただきました。
どこに行っても『自分の暮らしを自分で考え選択し、創造することができる』
これがすごく大事だと思います。
そのときに、受援力を高めましょう。そして、自分の経験をシェアしていくことで、
いつかは自分も頼られる存在になることができます。
声に出して、動いてみる。私たちらしく、富士このみスタイルを創っていきましょう!

最後に皆さん富士山ポーズに笑顔で写真撮影をしました。


塩川さん、村瀬さん、ありがとうございました!
みんなで心通わせる、ハートフルな時間を過ごしました。

【感想】
・村瀬さんがご紹介されていた冊子の内容に自分自身が頼ってきたものがすべて載っていました。
今後、転入される方に「はぐくむFUJI」の冊子の上にその冊子を乗せて配ってほしいと思います。
ぼんやり悩んでいる方にも読んでいただきたいです。
塩川さんがおっしゃっていように、自分の暮らしを自分で創っていきたいと、
さらに前向きな気持ちになりました。
・HAPPYラインの上の部分をもっと上げられるように、人との関わりや仕事をしたりしていきたい
と思います。また、2つ目のワークの右上の部分(親近感、専門性共に高い関わり)を
もう少し増やしていけたらと思います。
・自分を支えてくれているサポーターに思い至ることができたのがとてもよかったです。
子育て支援センターやサポートがより身近に感じられるように、冊子を目につくところに
たくさん置いていただきたいと思いました。
・少人数でしたが、その分発言することも多く、スタッフの方のことも知ることができて
よかったです。村瀬さんのことは全く知らなかったので、今回大きな収穫です。

◆妊娠子育てネットワーク交流会 公式サイト
https://peraichi.com/landing_pages/view/fujinetwork/
◆ファミリーケアサポート ともにぃ
https://peraichi.com/landing_pages/view/tomony/