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普段の生活にも役立つ ストレスフリーなお金との付き合い方

2021.12.15

2021年12月2日、
「富士このみスタイル オンラインで学ぶ・つながる ワークシェア&スキルアップセミナー」
第5回目を開催しました。

講師は、さくら税理士法人の平井秀明さん。そして、夢を叶えるために会社員からフリーランスになられたデザイナーの栗田舞子さんをお迎えしました。

さくら税理士法人 社員税理士の平井秀明さんは、沼津生まれ沼津育ち。2017年に税理士登録。CFP認定者。近年は女性の起業家支援にも力を入れていらっしゃいます。ご実家が弓具店を営まれています。

栗田舞子さんは、印刷会社・デザイン会社にてデザイナーとして勤務後、2018年に独立されました。主な業務内容は、グラフィックデザイン・Webサイト作成・動画制作・アプリUIデザインなどです。クリエイターの女性の視点を生かしたデザイン・提案でお客様から好評を得ています。

【前半】お金のはなし
人として生きていくために、なくてはならない大事な「お金」。
生活のためのお金や自分を高めたり、教育のために使ったりするお金も必要です。
「起業したいけれど、損はしたくない」。
そのためにどうやってお金を管理していけばよいでしょうか。

1.お金のはなし
【ポイント 1】 事業用の口座を作る
【ポイント 2】 借入はどこから誰から借りたのかをはっきりさせておく
【ポイント 3】 現金を管理する~生活用と仕事用、別々の財布を使って管理する

【まとめ】
大切なのは、「他人が見てわかること」
自分がわかっているだけでは証拠になりません。
現金の動きは記録をとらなければ、自分以外の誰にもわかりません。家計簿程度でも、記録や領収書・請求書を残しましょう。

【ステップアップ】集計したものの結果を見る
集計することで、儲かっているか・いないのかを把握できます。
個人事業の場合、本人への給与は経費になりません。儲かったお金から自分の人件費が出せるか、仕事をした分が返ってくる仕組みづくりができているのかを集計から把握できます。
◎お金の管理とは、自分の仕事を見つめ直す大事な作業

2.手続きのはなし
専業主婦の方、働いている方。置かれている環境は人それぞれです。
どの程度仕事をするのか?どの程度収入を得られるのか?
シミュレーションをしつつ、自分の置かれている環境を再確認しましょう。

(1)夫の扶養を外れない範囲で働きたい専業主婦の方の知っておくべき 2つの壁
①103 万円の壁(税金の壁)
②130 万円の壁(社会保険の壁)
パートの収入と所得税、住民税、社会保険、夫の社会保険の扶養家族適用の関係を説明していただきました。
負担ばかりで大変だと思ってしまいますが、税金がなくなると困ってしまうのは私たちの当たり前の生活です。税金があるからこそ、水道をひねったら水も出ますし、泥棒が入ったら警察が来てくれます。
みんなで使うものを、みんなで負担しあうのが税金という感覚をもちましょう。

(2)働いている方(副業について)
副業を始める前に、会社に確認をしましょう。副業NOの会社が一般的なのが実情です。マイナンバーで副業が発覚し、会社からペナルティを受けることもあります。自分の夢や、やってみたいことがあれば会社に相談して理解してもらいましょう。ただし、本業には影響の出ないように。
給与をもらっている方で、その他の所得の合計が20万円を超える場合は税務署に申告をしましょう。20万円を超えない場合でも住民税の申告が必要な場合があります。自分の住んでいる市区町村のホームページなどで確認しましょう。

★青色申告?白色申告?(確定申告)
①初年度から黒字が無理という人…青色申告がおすすめ
②簡単な帳簿で良い人、開業届を出さないで申告している人…白色申告
*20万円~30万円の売上が出るようになったり、利益が出るようなら届け出をしておくことをお勧めします
◎悩んだ時には、税務署の税理士や商工会の指導員など数字の専門家に相談を。 無料相談も実施しています。

★インボイス制度について
2023年10月1日からインボイス制度が導入されます。事業規模が大きくなったときに対応が必要です。

★電子取引データの保存に関する規定
2022年1月から紙ではなく電子のPDFをとっておかなければならなくなります。専用ソフトはお金がかかるので、ファイルの保存の仕方を工夫しましょう。
※2022年1月1日から2023年12月31日まで2年間の経過措置(猶予)が設けられています。
参照:国税庁ホームページ「電子帳簿保存法Q&A」
https://www.nta.go.jp/…/joho…/sonota/jirei/4-3.htm

3.終わりに(平井さんより)
「仕事は何のためにするもの?」―お金のため、自分自身の成長のため、社会に貢献するため、人との出会いを求めてなど、ひとそれぞれの目標があり、途中でどんどん変化していってよい。
平井さんが、弓具店を営まれるお父様に「仕事をするにあたって一番大事なことは何か?」と尋ねられたところ、「継続して事業を行うにあたってウソをつき続けるのは難しい。つまり誠実であること。」と答えが返ってきたそうです。
誠実であること、大事にしていきたいですね。

 

【後半】栗田舞子さんのお話

1.開業時必要だったもの
・身分証明書(免許証など)・マイナンバーカード(通知カードでもOK)・印鑑
この 3つを持って税務署へ。

2.開業後、必要になったもの(栗田さんの場合)
パソコン、プリンタ、名刺、印鑑、メールアドレス、個人事業主用口座、写真付きマイナンバーカード、確定申告用ソフト、見積・請求書用ソフト、クレジットカードなど
その他:パソコンデスクと椅子、ホームページ、実印・印鑑証明、封筒、切手、プリント用紙、 書類送付用ハンコなどの事務用品
*職種によって変わりますので、ご参考までに

3.開業後の講習
税務署に開業届を出すと、 無料講習のお知らせなどが郵送で届くようになりました。栗田さんはそれらの講習に参加して、分からないことを税務署の職員さんに直接質問して解決してきました。「確定申告の講習もあるので積極的に活用してください」とアドバイスをいただきました。

4.確定申告ソフトは使いやすいものを
会計ソフトは使用感、年間費用、新しい法律に対応しているか、オンラインで使えるのか、スマホ対応しているのか、などメーカーによって特徴が異なります。
使用感の合わないソフトはストレスがかかりますし、だからといってソフトの覚え直しも面倒です。無料体験期間で必ずチェックをして早い段階で使いやすい確定申告ソフトを決めましょう。

5.フリーランスの仕事の流れ(栗田さんの場合)
①打合せ
②見積り
③契約・発注
④納品
⑤請求・支払

6.栗田さんが気を付けていること
・納期は必ず守ること「報・連・相」は早めに
・難しい仕事は一旦持ち帰る
・チームメンバーへのリスペクトを忘れない
・チーム内で盛り上がりすぎない

7.失敗談
・個人情報の取り扱いに注意…名刺に自宅の住所を載せてたことで突然来客が!
・夫の扶養に入れなかった…扶養範囲は会社によって異なるので要注意!
・嫌な予感がしたら注意…怪しいと思ったら一度距離を置く。

8.最後に
自分の身は自分で守る
相談できる公的な場を持っておく
失敗は成長のチャンス
自分を選んで下さったお客様に日々感謝
お客様からの感謝の言葉があるから頑張れる

【参加者の皆さんからの感想】
・起業のための参考になりました。
・今年開業し、お金に関しても学ばないといけないと思っていました。オンラインの取引の際は、データ保管が必要ということを知れて良かったです。
・お金の話は難しく、文字だと分かりにくいので、お話で伺えてよかったです。栗田さんの失敗談を教えていただけ、参考になりました。
・なかなか自分からは学んだり、調べたりは取り組みにくい内容だったので、聞くことができて良かったです。