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むすびサロン2019 第4回【11.20/実践型商品開発ワーク 三島の『社会的な』お土産をつくる!】レポート

2019.11.25

2019年11月20日(水)、2019年度むすびサロンスキルアップ講座の第4回目
「実践型商品開発ワーク 三島の『社会的な』お土産をつくる!」が三島市商工会議所で開かれ、
これまでの講座で学びを深めてきた12人の働く女性(育休中の方含む)が集まりました。
ファシリテーターは株式会社サンディオス代表取締役の津賀 由布子さん。

サンディオスさんはご当地パンとして長年に渡り地域で愛されるのっぽパンの開発から独立した
広告企画制作会社。
マーケティングを取り入れた効果の出る広告づくりに取り組んでいます。
プライベートでは5歳半の元気な三つ子くんたちと旦那様との5人暮らし。
食べることと旅行が大好きな、明るくパワフルで人情に厚い社長です。

今回は前回クックパッドの横尾祐介さんから学んだ「クリエイティブな企画の作り方」を踏まえての
実践型ワークとなりました。
2020年2月に開催するむすびサロン最終回で、三島の「社会的な」新しいお土産の企画プランを
発表するために必要な、商品企画の基本を実例も交えて学びました。

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【商品開発のタイプ】
1.まだ世にないもの
2.すでにあるが、新規につくる
3.リニューアルする
すべては、(より)お客様に愛され、親しまれることがゴールです。

【新・三島のお土産 商品開発の流れ】
1.課題
(三島には代表的なお土産がない)
2.発想
湧水をテーマに/三島甘藷を使ったもので/富士山や三嶋大社はインバウンド受けしそう/
お菓子?雑貨?/現実的か否か 等
3.マーケティング
発想から方向性が決まったら、「誰が/どんなメリットで/どこで/利益を出す」のかを明確にしていく。
=《コンセプトメイク・ターゲティング・販路設計・ツール設計・収支計画》
4.試作
テストマーケティングを行う/製造コストを調整する
5.生産技術
実際にどんな工程で、どれほどの時間で、どの程度つくれるのか
6.MD(マーチャンダイジング)と営業
品揃え、展開時期と場所、価格、数量、売場の6つの要素をマネジメントして、営業をする
7.発売

【(改めて)お土産って何?】
お土産は、渡す相手によって単価の高さ・低さ、選ぶ時間の長さ・楽しさと短さ・義務感に違いがあります。
(例)
・単価が高く、選ぶ時間が長くて楽しい:自分向けに工芸品・友人や家族に相手の喜ぶもの
・単価が低く、選ぶ時間が短くて義務的:会社などの所属組織向けの個包装入りお菓子など

【お土産商品開発の事例】
すりたて伊豆生わさびモナカ「2キロ18本(ニキロジュウハッポン)」
http://wasabimonaka.com
■状況と課題
もなかが大好きなわさびとあまごの生産者さんが、わさびを使った伊豆の銘菓をつくりたい
■発想
・おなかいっぱい食べられるもなか
・お菓子屋ではなく、生産者ならではの立場で
・修善寺と天城の店舗で売るので観光客向けに
・いずれは地元の人に、地元土産として認識してほしい!
■コンセプトシートへの落とし込み(フォーマットは画像参照)
①「修善寺や天城で日本の温泉風情を楽しみに旅行にきた学生」のあなたへ
②「伊豆らしくておもしろいものでみんなと盛り上がりたい」と思っていませんか?
③この「わさびモナカ」は
④「写真を撮ったり、どのくらい辛いのか恐る恐る食べたりと、旅に楽しさや話題性をプラスできるおみやげです」
⑤その秘密は「本物のわさびの美味しさをモナカに込めるべく、大きさと辛みを忠実に再現しているところが
クスっと笑わせてしまう」ところにあります。
⑥これで「こんな面白いものがあったよと教えたくなる、旅の思い出をつくる」ことができます。


■マーケティング4Pへの落とし込み
◎Target(誰に)伊豆へグループ旅行に来た20代観光客
1.Product(どんな商品・サービス)わさび農家がつくるモナカ、笑えるくらいわさびに近づけたすりたて
伊豆生わさびモナカ
2.Place(どこで・どんな戦略)店舗・オンライン販売
3.Price(いくらで)680円
4.Promotion(どんな販促で)プレスリリース・催事・SNS・店頭POP

【社会性のあるものづくりとは -SDGsを意識する】
SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
2015年9月に国連サミットの中で世界のリーダーが決めた17の目標。目指すのは「誰ひとり取り残さないこと」。

【17の目標のうち、想像できる社会課題】
2「飢餓をゼロに」…フードロス
→廃棄食材を減らす。商品になりづらいものの加工開発
3「すべての人に健康と福祉を」…障がい者支援
就労機会の創出→支援事務所による商品開発
9「産業と技術革新の基盤をつくろう」…地産地消
→土地のものをおいしく消費する
14「海の豊かさを守ろう」…海洋プラスチック
→プラスチックの製造量を減らすためにリサイクル可能な容器の開発
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4つのグループに分かれお土産の概念についてそれぞれの印象を話し合ったうえで、
コンセプトシートやマーケティング4Pをツールにしながら商品開発の議論を深めていました。

いただいたアンケートの一部をご紹介します。
・チームのメンバーの意見を聞いて、自分では考えつかないようなことを知れた。
・前回学んだ企画の作り方をベースに、今日実際にワークをして難しさもあったが、
楽しく企画を考えることができた。
・今回のワークでチームメンバーと深く話をすることができました。
三島とは、を考えることで、地域愛が深くなると思います。
・社会性、と意識するだけで視点が変わっておもしろい!

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受講生の皆さんはグループのメンバーと休みの日に時間をつくって集まり、
プレゼンの準備を進めてきました。
頻繁に連絡を取り合い、疑問点を追及したり詳細を確認したりと、舞台裏では熱いやり取りが
進められているようです。
2020年2月3日の最終回は、成果発表会。
4グループの発表のあと全員投票によってひとつのお土産企画案を選ぶ予定です。
皆さんがどのような発想とプランと熱意を持って新しい三島土産をつくろうとしているのか、
参加予定の方も、この取り組みを応援してくださっている皆さまも、ぜひご期待ください!