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わくキャリセミナー2019 第4回【10.16/ビジョンや内容を明確に「ビジネスプランを書いてみよう」】レポート

2019.10.24

2019年10月16日(水)
第4回わくキャリセミナーを開催しました。

ビジョンや内容を明確に「ビジネスプランを書いてみよう」
と題し、有限会社サンディオス代表取締役の津賀 由布子さんをお迎えし
未来を描く、ビジネスプランのつくり方を学びました。

津賀さんが代表を務める有限会社サンディオスは、
のっぽパンの開発から独立した広告企画制作会社。
マーケティングを取り入れた「効果の出る広告づくり」に取り組んでいます。

企画・マーケティングの教育会社である「企画塾」認定の
マーケティングプランナーでもある津賀さんは、
現在44歳で夫と5歳半の三つ子と5人暮らし。
各地を旅しながら美味しい食に出合うのが大好きだそうです。

* * *

やりたいことをビジネスにするのに大切なことはこちらの3つ。

1.
誰かの役に立つこと、
誰かを喜ばせるために仕事をすること

2.
どんな風に生きていきたいのかを突き詰めて、
人生の企画として捉える

3.
夢を達成するために必要な、
欲しい利益から考える

「この3つは、未来をつくる、絶対的なもの」と津賀さん。
起業を考える人には必須の3つです。

《ビジネスプランの立て方》

①自分の強み、内外の環境(市場)を分析する

《重要》
②誰に向けて、どんなメリットのある仕事なのかを考える

③いつまでに、どうなっていたいのか考える

④具体的に「どこで」「誰に」「どんなサービスを」「どのように展開するのか」を決める

ここで、実例の紹介です。

化粧品をスッと取り出しスッとしまえるポーチSUSSU(スッス)を
企画開発、販売した合同会社SAZAREの高橋さんの起業ストーリー。

(写真:SUSSUを持つ津賀さん)

裁縫が得意だった高橋さんは、バッグインバッグに着想を得て
何十回もの試作を経たのち、収納力と使い勝手の良さを兼ね備えた
今までなかった化粧ポーチを発明します。

そして、順調に展示会への出店が決まったものの、
縫製会社は未定、販路も未定、販売計画も無し…という状態
津賀さんの会社へ訪れました。

そんな高橋さんに津賀さんが提案したのは、
「SWOT分析」「ロードマップ」「マーケティング4P」の3つへの取り組みでした。

SWOT分析とは
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)
頭文字から名付けられた経営戦略策定方法の一つ。

現状を4つのカテゴリーに分けて整理にすることで、
モチベーションのアップや問題解決につながります。
弱みや脅威に挙がった課題は、
強みや機会で克服できることもあるそうです。

高橋さんのケースです。

【強み(S)】
・裁縫が得意
・発明協会に出入りするほと、発明に関心が高い
・チャレンジ精神があって、アクティブな性格
・これまでにないアイディア

【機会(O)】
・調べる限り、ブルーオーシャン(ライバルがいない市場)
・起業支援の機運
・女性活躍推進の機運
・化粧ポーチの分野でブランドは確立されていない

【弱み(W)】
・伴走者(スタッフなど)がいない
・資金力がない
・経験がない
・人脈がない

【脅威(T)】
・地方
・国内の縫製業の縮小(生産力がない、工賃が高い)

このSWOT分析を踏まえ、
ゴールまでのロードマップ(工程表)をつくりました。

ゴールに設定したのは
年3,000個販売
キャンピングカーで全国の織物・染物文化を見聞して周る
という夢。

この夢の実現のために、
最初の計画は商品開発・販売と設定しました。
展示会への出店やプレスリリースの配信
テストマーケティング
のほか、
商品・販路設計、生産・流通開拓、
HP、パンフレット製作
がやるべきこととして見えてきました。

次に目指すのは月30個販売・取扱店10店です。
そのために、キャンペーン企画やバイヤーへの営業、
ウェブ広告の出稿
を計画しました。

そして現在。
年3,000個以上販売するという夢は叶い
ブランディングの強化を目指し、
スタッフの雇用や受注発送・生産システムの構築などに取り組んでいます。

マーケティング4Pとは
Product(製品)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通)の4つから成る
ターゲットに働きかける具体的な方法を考えるためのツールです。

高橋さんの場合は、ターゲットを30~50代の忙しい女性と定め、
カテゴリーごとに現状や実施計画をまとめました。

Product(製品)
スッと取り出し仕舞えるタテ収納の化粧ポーチ

Price(価格)
3,500円(税込3,850円)

Promotion(プロモーション)
・プレスリリースによる露出
・ネット広告によるHPへの誘導
・展示会への出店
・商談会への参加

Place(流通)
・自社のネット販売
・雑貨店などでの委託販売
・委託のネット販売

この3つのワークを、
受講生の皆さんにも時間をかけて取り組んでいただきました。

以上をまとめると、ビジネスプランの第2段階が見えてきます。

①自分と自分を取り巻く環境を知って

②ターゲットとコンセプトをがっちり整合させて

③時間軸は未来に目標を立てて

④事業の骨組みと利益の出る仕組みを企画する

そして常に心に抱いておくべきなのは
何のために事業を起こすのか
誰のために、どんな風に役立つのか

ということ。

津賀さんからは
「想いがあって、誰かの役に立ってこそ、
自分の仕事を好きになる、
長く続けたいと思えるんです」

という力強い言葉を、
締めくくりに投げかけていただきました。

* * *

受講生のお子さんたちは
ママの学びの時間に、それぞれ楽しく過ごしてくれたようです。

* * *

受講生の方からのアンケートを一部ご紹介します。

具体的にプランニングをできた(ロードマップをかけた)ので参加してよかった。

どのような観点でビジネスを具体化していくかが分かりやすかったです。

自分が考えていることを紙にすることで整理されました。家でも書いてきます!

少しずつ、自分のやりたいことをカタチにしていく過程と視点を知ることができた。

少人数だったので、具体的な話が聞けて良かったです。アドバイスも的確でした。

* * *

次回は10月30日(水)、いよいよわくキャリ最終回です。
個々にまとめた「SWOT分析」「ロードマップ」「マーケティング4P」をもとに
ビジネスプランを発表していただきます。
発表会のあとは、初回と同じ、
イタリア料理教室Casa Verdeを主宰する白鳥鮎子さんによる
ケータリングランチ交流会を開きます。

受講生の皆さん、
ビジネスプランの作成には精神的にかなりの労力を伴うことと思いますが、
掲げたゴール達成に向けて頑張ってください!

不安や疑問には、講師や長泉町商工会の方々が応対します。
気兼ねせず、ご相談ください。

長泉町商工会(担当:芹澤、遠藤)
TEL.055-986-0685
(平日8:30~17:15)