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富士このみスタイル2019第3回【1.29/ワークショップ形式お話し会】

2020.02.05

2019年度 富士このみスタイル
第4回ワークショップ形式のお話し会レポート

◆◆◆◆◆

「私の働き方は私が創れる!?“えんたくん”に広がるいろいろな選択肢」

1月29日(水)富士このみスタイル第4回ワークショップ形式のお話し会が、
モクリエギャラリー mokurie galleryで開催されました。

今回のテーマは、
「富士市で働く、私の思い」
ワークシェアや起業、テレワークなど新しい働き方が注目されている中、
今回は“働くこと” に焦点を当てワークショップを通して自由に話し合いを行いました。

◆ファシリテーター紹介◆
NPO法人母力向上委員会 代表 塩川祐子さん

母として3姉妹の成長に合わせながら働き方を変え、現在は主にNPO法人母力向上委員会の代表として
組織づくりや講演を行いながら週に2時間、助産院で働く。
看護師・保健師として、また自身や周囲の妊娠・出産経験から、生と死に向き合い
「いのちの輝き」の応援をしていくことをライフワークとする。
専門職としての知識、数多くの女性の妊娠・出産、そしてその人生の歩みに寄り添った経験を活かし、
講演やワークショップを行い、母子保健の推進に尽力し続けている。(HPより抜粋)

◆NPO法人母力向上委員会について◆
2008年10月発足、子育中のお母さんたちが運営し富士宮市・富士市を中心に活動。
「すべての人が生まれてよかったと思える社会へ」をビジョンに掲げ、
「すべてのお母さんが『自ら考え選択する力』『健康力』『自己肯定感』を得る事で社会とつながる」
ことをミッションとしている。
妊婦さんにとって妊娠・出産・子育てがプラスになるような生き方を伝える講座・座談会・
イベント・情報発信などを行うだけでなく、当事者(お母さん)の声を行政や企業など、
必要とする機関に届け富士宮市と協働して社会づくりに取り組む。
また、お母さん達にとってより生み育てやすい地域づくり、社会みんなで子どもを育む
環境作りの観点から、豊富なアイディアを提供しお母さんならではの口コミ力、情報発信力で、
企業の認知活動や集客もサポートする。
「アレルギーっ子おしゃべり会」「おんぶ紐抱っこ紐試着会」など“あって良かった”と思える
優しいイベントを多く開催。子育て中のお母さんが記者となり富士宮市の情報を発信する
ハハラッチも大活躍中!

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冬晴れの柔らかな光を感じる午前、会場となったモクリエギャラリー(mokurie gallery)には
市外から移住した人、市内に住む人など、それぞれのストーリーを積み重ねてきた20名の
女性たちが受講者として集まりました。


薪のストーブからパチパチと火が踊るような音が鳴り、キッチンやソファのある空間は、
まるで友人の家に遊びにきたような気分にさせてくれました。
受講者は、リラックスした表情を浮かべながらほどよい距離感で座布団に座り、隣り合った人と
「初めて参加しますか?」「楽しみたいです!」などと自然に会話を始めていました。
そして、木の温もりを感じながらこれから始まるワークへの期待を高めていました。

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オープニングでは、塩川さんから
「富士このみスタイルという場で、建設的にそれぞれの想いを安心して語ってほしい」と
受講者の心を解放するような言葉が添えられました。

アイスブレイクが始まると、受講者は立ち上がり、率先して「仕事してます!」と手を挙げながら
働き方の違いについて仲間探しを行いました。
また、自己紹介と今日の自分のゴールを伝え合う場面では「富士市で知り合いを作りたくて」
「夢を叶えるために何か得たいと思って」「自立したくて」「小さな幼稚園を作りたい」などと
心の声を言葉にして伝え合いました。

▷▷ワークスタート▷▷

=ワークで大切にしたいこと(この場に設定するルール)=
★他者の意見は受け止めよう! ー違って当たり前。受け入れるかどうかは心の中で決めよう。
★ネガティブな話もOK!ー解決策はここから。でもこの場に置いていこう。
★良い話は家庭へのおみやげに ー本人に了承をもらって家族や職場でシェアしよう。
★他者の発言へ拍手しよう ーそれぞれが安心して話せるように。

=覚えておきたいキーワード=
◎ワークシェア:1つの仕事を複数人で分け合うことで効率化や生産性を高める働き方
◎テレワーク:テレコミューティングの略で情報通信技術(ICT)を活用し場所や時間にとらわれない
働き方
◎クラウドワーキンング:企業が業務の一部を外部委託しフリーのワーカーが在宅で業務を請け負う
働き方

【ワーク①】
働き方の現状を語ろう!
・専用の“えんたくん”に記入していく
・ひとりが話し、隣の人が書く
・“えんたくん”の中心から順番に書く

〈受講者の働き方の現状を一部ご紹介〉
*現状*
・自宅で塾を経営
・取材や新聞、広告作成
・在宅でデザイン
・訪問介護
・米作り
・アフェリエイター
・子連れ出勤可能な職場勤務

ダンボールで作られた“えんたくん”が各チームに配られると、受講者は
「わー!面白い!」「学校に居る気分だ!」と気分を高め、より思考が働く環境が整っていきました。
時間が進むにつれて、一人ひとりの働き方や考え方がカラフルに円となって描かれ、
次第に受講者の頭の中も新たな価値観が広がっているようでした。

塩川さんは「ITの進化によってオフィスに行かなくても働ける環境が整いつつあります。
母力向上委員会でもワークシェアに取り組んでいて、多数精鋭で行うことは女性にとっては働きやすい形
の一つだと思います。『こうでなくてはならない』という概念を捨てて考えていきたいですね」
と包み込むようなトーンで語りました。

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【ワーク②】
近い未来に起こりうる危機を考えよう!
・自由に話し、“えんたくんに”自分で書く
〈受講者が考えた“危機”を一部ご紹介〉

*起こりうる危機*
・家族の病気やケガ、入院
・子育てサポートが少ない
・IT化で仕事がなくなる
・ライフステージの変化
・学童に入れない
・農家の後継者問題
・環境問題(プラスチック)
・収入の減少

 

 

受講者は膝の上でバランスよく“えんたくん”を保ち、日頃から不安に感じている身近な問題を
チームメンバーに共有していきました。
危機を考えることは胸にズシンと重くのしかかってくることもありますが、リビングで過ごすように
「我が家も同じですー!」などとお菓子をつまみながら朗らかに伝え合いました。
塩川さんは、サイボウズ(株)が実践する、公平よりも個性を大切にする働き方についての
エピソードを交えながら「『わがままは悪じゃない』という言葉が印象的でした。
私たちもわがままに、危機を乗り越えるための働き方を見つけていきましょう!」と
受講者が柔軟に考えられるように言葉を選びながら語りかけました。

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【ワーク③】
どんな環境であれば働いてみたいか、働けるのかを考えよう!
・個人で付箋にたくさん書いて貼る
〈受講者が考えた“理想の職場”を一部ご紹介〉

*アイディア*
・オープンカフェで会議
・自分で働く時間を決められる
・自由に休みが取れる
・食事を無料で提供してもらえる
・残業がない
・託児・学童の環境が整っている
・スキルを相談できる場所がある
・世界中どこでも学びに行くことができる

薪が追加されたストーブからふんわりと香ばしい煙が立ち込め、心も体も温まっていきました。
受講者は一人では考えつかないようなアイディアに「それ、いいね!」とうなずき合い、
未経験のスタイルに憧れを持ちながらも自身の挑戦に向けて刺激を受けているようでした。
塩川さんは「アイディアがなかなか浮かばない人は、他の人の意見を聞いて吸収していけば大丈夫
ですよ」と優しく声をかけ安心で安全な空間を常に創り出していました。

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【ワーク④】
わたしにできること、地域と行政に求めることを考えよう!

〈受講者の意見を一部ご紹介〉
*わたしにできること*
・家族と話し合う
・視点を変える
・スキルのアピールをする
・出来ることを増やす
・SNSで発信する
・行政のコミュニティに参加する

*行政・地域に求めること*
・気軽に子供をあずけられる支援センターを作ってほしい(病児保育の充実)
・働き方改革をもっと企業に広めてほしい(夫側の企業へも理解を促す)
・シルバー人材と子育て世代の交流の場がほしい
・放課後デイサービスの充実
・地域新聞で高齢者に情報を届けてほしい
・男女参画の意識を高めてほしい
・やりたいことが実現できる環境を作ってほしい

受講者は短時間の中でもさらさらと頭の中を見える化し、チームごとの“えんたくん”はそれぞれの
想いや創造によって個性豊かにコーディネートされていきました。
膝を付き合わせながらワークを進めたことで会話は深まり、ワーク終了後にも話は途絶えることなく
自然と笑顔の輪ができていました。

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~塩川さんからの贈る言葉~
「私たちは考えて選択することができます。ステージに合わせてどこで生きていこうか
これからも自分で決めることができるのです。
無いから仕方ないではなく、諦めず新しく創造することができれば道は開けます。
女性がここまで活躍できるようになったのは先人達が切り開いてきたおかげなのです。
まずは声に出して行動することが大切で、今日参加してくれたことも大きな一歩です。
富士市は新しいスタイルを創ることができる段階にあると思うので、今までの気づきや
これから出会ったことも全部活かして皆さんらしく新しいものを創ってほしいです。」

ー明日話したくなる企業のとりくみー
cybozu サイボウズ(株)
『100人いたら100通りの働き方』を実現させ社員が自分らしく働くことを目指す。
ライフステージに合わせて働き方を選択できる制度をスタートさせ、育児や副業などの個人の事情に
合わせて勤務時間や場所を9分類から選べるようにした。また、生産性向上を目的に在宅勤務も可能。
退職後も安心してチャレンジができるよう最長6年間は復帰ができるような制度を作り
ルールのもと子連れ出勤も可能にした。
代表取締役の青野氏は「嘘はダメ。リアルなオフィスで仕事をする人が少ないので、
正直に対話することで信用を守っている」と静岡で開催された講演会で語った。
URL :https://cybozu.co.jp/

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レポート後記
今回は4回目ということで活気と熱量を感じる瞬間が多く、受講した人の中には
「これをやりたいんだ!」と自身の心の奥に明確な決意を抱いて来た人もいたのではないかと
感じました。時代が変わろうとする中、女性の発信力にはより一層のエネルギーを感じます。
理想が当たり前になる社会を創れるのは今を生きる私たちであり、行動することで次の世代の働き方や
生き方を導けるかもしれないと塩川さんのお話を聞いて胸が熱くなりました。
働くことは生きる喜びでもあり暮らしを支え、街をも支えます。
“働き方”や“この街で働くこと”を考えることは、この街の持続可能性を考えることにも繋がるのでは
ないかと思います。今回のワークショップを通して、この街の未来を自分たちで創造することが
できれば毎日がもっと豊かになるんだと実感できました。

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講座終了後にいただいた感想の一部をご紹介します!!ご協力、ありがとうございました。
・動き出している人と出会えて刺激になった
・子育中の働き方を模索できた
・開業している人の話を聞けて参考になった
・同じ悩みを共有できた
・フリーランスに挑戦したい
・やりたいことを具体的に進められる会があれば参加したい

会場をご提供くださいました、空間工房LOHAS(ロハス)さま
ありがとうございました。

◆モクリエギャラリー mokurie gallery
URL:https://www.kobo-lohas.jp/moku-rie-gallery/
託児ルームは、今回もNPO法人母力向上委員会さんにご協力いただき、運営をすることができました。

◆NPO法人母力向上委員会
URL:https://haharyoku.com